浅間嶺サイクリング、再び…
(東京都檜原村)

最後の山岳サイクリングに出かけてから、早いもので、3年の月日が過ぎようとしていた…。 前回は山岳サイクリング初挑戦のコースとして、この山を選んだが、運動不足でなまった身体には、 かなりきつく、こたえた事を覚えている。

あれから3年…。横浜や世田谷などへ、往復50kmほどの長距離サイクリングに出かけたり、 近くの街へ出かけるときにも、車を使わず、自転車を使うようにし、できるだけ適度に息を切らして走るよう心がけ、体力の向上を目指してきた。

もし、少しでも体力が向上しているなら、もう一度この山に登ってみれば、前回かなりきつく感じた この山の印象も変るかもしれない…と考え、再びチャレンジする事にしたわけだが、 果たしてどういう印象をもっただろうか?、結果はサイクリング道中記のあとに…。


「峠の茶屋」までもう少し…

八王子市街を抜け、今回のサイクリングの基点となる、「払沢の滝」駐車場に、午前7時すぎに到着。 自転車を下ろし、荷物を背負って、いよいよ山頂に向かって走り出す。

最初は舗装された道路を、つづら折りに曲がりながら、延々と坂道を登っていく。 やがて舗装が終わり、ダートになり、さらに数分奥へ進むと、天候に恵まれれば、 東京都庁が見渡せると言う「峠の茶屋」にたどり着く。茶屋の近くに、 これから走ろうとしている、山道の案内図があり、とりあえずデジタルカメラに記録を取った。

浅間尾根周辺案内図

「峠の茶屋」をすぎると、道は急に険しくなり、乗車できないのはもちろん、 自転車を押していくにも苦労するような、石がゴロゴロしている山道に入っていく…。

しばらくすると、道は小川沿いを歩くようになり、足元を澄んだ水が流れていた。 ガイドブックによると、この小川の水はとても美味しいとのことだったので、ときどき川岸に下り、水を飲んだ。

さらに奥に進むと、いよいよ山道は険しくなり、自転車を押して歩く事もできなくなり、 ついに自転車を肩に担いで登ることになる。そして急な坂道を登ること10分、ガイドブックの目印になっている、 ひときわ大きな「モミの木」を見つける。そこから先は、脚力があれば自転車に乗車して行くことができるほどの斜度になってきたので、一番軽いギヤを使い、だんだんと高度を上げていった。

自転車を担いで登っていく

結局、「モミの木」から頂上まで40分の時間がかかった。前回の記憶では、それほど時間がかかった記憶がなかったので、 道を間違えたのではないかと疑ったこともあった。その上、頂上の手前の最後の上りは、道幅も広く視界も開けていたものの、 斜度がきつく、かなり体力を消耗した。

きつい最後の坂を登りきると、ついに頂上の浅間嶺(せんげんりょう)に到着。そこで記念の写真を数枚撮影した。 前回のサイクリングでは、頂上の休憩所で昼食をとったが、今回はまだ午前10時と、時間が早かったので、そのまま 後半のダウンヒルを下る事にした。

ついに頂上に到着

ダウンヒルは、登りの時とはうってかわって、気持ちよく風を切ることができる、 山岳サイクリングのハイライトであり、今回も気持ちよく下っていくことができた。 ただ、初夏と言う事もあって、けもの道沿いには草がかなり生い茂っていて、長い下りで、スピードが出ているだけに、腕や足、時には顔などにキズを作ることがあった。 その点から言えば、初夏よりも秋や紅葉のシーズンの方が、草も少なく紅葉も楽しめるので、 サイクリングにはより良いシーズンかもしれない。途中、人里(にんぼり)に 降りる道の分岐点や、見晴らしの良いところなどで、数回休憩をとりながら、順調に山を下って行った。

しかし、やはりいつ来てもシングルトラック(人ひとり分ほどの道幅のけもの道)のダウンヒルは気持ちがいい。 木の枝などのちょっとした障害物を越えたり、突然あらわれる急カーブを、あるときは高速で、 あるときは止まらんばかりの低速でクリアしたりと、街中の道路では味わえない、変化に富んだ路面が、どこまでも続いていて飽きさせない。このあたりの魅力が、今回の3年ぶりの山岳サイクリングに 自分自身を急き立てた理由だと思う。

木漏れ日の中を下っていく

もちろん奥多摩の小さな山とは言え、道を踏み外せば転落の危険がある箇所もあるし、 転倒の危険も、舗装道路よりも高くなる。このあたりは決して無理をせず、自分の技術に見合った スピードで下っていくのがベストだと思う。もちろんスピードばかりでなく、山の澄んだ空気や、 素晴らしい風景など、自然を楽しむのも忘れないようにしたい。

やがて、山道も後半に入ると、段差の高い階段状になっていて、今回も前輪にサスペンションがついていない自転車で走りに来た僕にとって、かなり辛いものがあった。しかし、ブレーキでスピードを殺しながら、サドルから腰を浮かせ、微妙なバランスと、走行ラインを選びながら、段差やカーブをクリアして行くのは楽しかった。

そしてついに山道を抜け、久しぶりの舗装道路へ。自転車を降り、スタンドを出して自転車を止めると、 たった今降りてきたばかりの山道の出口を見つめながら、しばし、今回のサイクリングを振返った。

山を降り、一般道へ出てくる

ここからは、奥多摩周遊道路から続く道を、駐車場まで約18km下る事になるが、時計を見ると11時を過ぎていたので、ここで腹ごしらえすることにした。そして食事の後、下の大通りへ出るべく、急斜面を下っていくと、途中に「浅間の湯」という看板を発見。予定外ではあったが、汗を流す事になった。

「浅間の湯」は、一見すると、単なる民家のような建物だったので、そんなに風呂に期待はしていなかったが、案内された風呂は以外にキレイで、気持ちよくお湯に浸かることができた。すっかり上機嫌になった僕らは、今、昼食を食べたばかりなのにかかわらず、調子に乗って、手打ちの「ざるそば」をいただくことに。「ざるそば」としては珍しく、かなりの太麺だったが、腰があり、あっという間にたいらげてしまった。

ただ、前回この山にサイクリングに来た時には、こんな風呂を見た覚えがなかったので、 不思議に思って話を聞いてみると、民宿は28年以上の歴史があるとのことだが、風呂は2年程前から始めたということで、やはり3年前にサイクリングに来た時には、まだこの風呂はなかったようだ。

帰りに「浅間の湯」に入った

風呂に入り、そばをご馳走になって、すっかり身体が「休憩モード」になってしまいそうだったが、まだ18kmの駐車場までの道のりが残っているので、気をとり直して自転車に乗り、「浅間の湯」をあとにした。

駐車場までの18kmは、ほとんどが下りだったので、それほど負荷は感じなかったが、 山の登り降りで体力を絞り取られたあとだっただけに、ちょっとした登坂でも、傾斜以上に、登るのがきくつ感じた。ただ前回ほどの疲れはなく、淡々と駐車場へ向かって行くことができた。

また、距離18kmとは言っても、7対3で下り坂が多かった事もあり、感覚的には10km弱しかないように感じた。時間的にも「浅間の湯」を13時過ぎに出発してから、約1時間後には駐車場に到着する事ができた。

結局、7時半に「払沢の滝」の駐車場を出発して、頂上到着が10時、山道を抜けて一般道に出たのが11時半、 「浅間の湯」での休憩後、13時に出発して、14時に駐車場到着…ということで、走り始めてから、 駐車場に戻るまで7時間という結果になった。

さて、前回から3年たって同じ山を登った印象だが、結論から言うと「前回より余裕を持って楽しめた」というところだろうか。前回は登りがかなり辛く、足に負担がかかったせいか、一般道に下りてからも、ちょっとした登坂がかなりこたえたが、今回は駐車場まで充分余裕を持って帰れたように感じた。

以上が、今回の3年ぶりの山岳サイクリング日記である。もし再び走りに行くチャンスに恵まれたなら、 次回は新たな山(コース)に挑戦してみたいと思う、今日この頃である。

2000年6月20日 GARA

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